0から 21までの番号が付いた22枚の大アルカナには、人の生き方そのものに関わってくるような、人生に対する世界観が表現されています。
0番の愚者から始まり、21番の世界で終わるカードの配列は、無知で何も知らなかった精神が、カードが象徴するあらゆる人生を体験し、最後の世界に至って完成されることを表しています。このように、愚者を始めに置くのが一般的ですが、タロテイストによっては、患者を世界のあとに持ってくるという説を唱えたり、審判と世界の間にもってくるべきだという主張をすることもあります。それは人生観の違いによるものであって、どのカード配列が正しくて、どのカード配列は間違っているという定義づけをするものではありません。
大アルカナだけではなく、すべてのタロットカードの解釈は、大きな意味はだいたい共通していても、細かい部分になると占者によって微妙に表現のしかたが異なってきます。大アルカナの並び順でさえ人によって異なる主張をするぐらいですから、当然かもしれません。つまり、タロットには、極端に言うと、絶対的な解釈は存在しないのです。さまざまな異なった解釈があっても、それが正しい表現、間違った表現というように完全に定義することはできないのです。
◎個人の自由な発想によって解釈される人生観
大アルカナは、人生哲学を象徴的に描いたものです。そこから生まれた解釈を正しい、正しくないと分けてしまうことは、個人の自由な思考を正しいものと間違っているものに分けることに等しいと言えます。それでは人間の自由な発想や表現を限定してしまうことにもなりかねません。
たとえば、魔術師のカードを見て、自に満ちあふれる頼もしい若者ととらえる人がいれば、その一方で、自言はあるように見えるが、彼はまだテーブルの魔術道具に手をつけていない、つまり実績がない、口先ばかりで才能は未知数、頼りないと考える人もいるでしょう。しかし、そこに正解があるわけではありません。正しいのはこっちですよと教えることは誰にもできないのです。そのときに、そのカードを見た占者自身が得たインスピレーションがすべてなのです。
このように、大アルカナという人生観をどう解釈するかは自由です。大切なのは、カードを解釈する本人がどのように人生をとらえているかということです。そこが抜け落ちていると、ただ本に書いてある意味を暗記するだけの精彩を欠いたカード解釈しかできません。世界のカードが象徴する完成を、この上ない幸せと考える人がいれば、退屈ととらえる人がいてもよいのです。それは個人の人生に対する考え方、人生観の違いです。
◎大アルカナの世界観を自分の中に定着させる
大アルカナを使いこなすコツは、大アルカナが持つ世界観を、カードを通してしつかりと自分の中に定着させることです。それさえできていれば、細かいカードの意味は自然と頭に入ってきます。また、大アルカナと接するたびに言葉となって無理なく登場し、カードの意味の丸暗記では到底できない自分のストーリーを描くことができます。大アルカナは世界観であり、物語です。試験勉強のようにがむしゃらに丸暗記しようとするのではなく、自分の中にある自由な発想や想像力、経験を頼りに、素直な心で楽しみながら理解していきましょう。